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Ns* ナチュラル&オーガニックスキンケア Blog

2019/10/02 23:43



Lithospermum erythrorhizon  / ムラサキ /

シコン(紫根) / Lithospermi Radix

シソ目、ムラサキ科、ムラサキ属

東アジア温帯の各地、特に中国東北部に多く自生する多年草。

※日本へは607年ごろ遣隋使としての小野妹子らが持ち帰り伝えたとされている


額田王や菅原道真の歌にも、何度も紫草のことが出てきますので、

渡来した歴史が古いのが分かります。

※紫花美人石けんには、北海道で農薬不使用栽培されたものを採用しています。


主要成分:シコニン(shikonin)

主な薬効:創傷治癒促進作用

シコニン、アセチルシコニン:抗炎症作用、肉芽促進作用

滲出液:抗菌、抗浮腫作用。

近年抗腫瘍作用が注目され、白血病や乳ガンなどへの研究がなされている。

出典:「生薬単」京都大学・近畿大学監修

 

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紫という植物と文字

紫根の基原植物ムラサキ「紫」は、名前通りに根の部分が紫です。「紫」という漢字のなりたちは、紫という草の存在が先であり、紫草の根のような色ということで「紫」という漢字が後でできた。

植物名は、「群れ咲く」が訛ったという説もある。


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紫草の西洋種と混同されがち

アジア種のムラサキは絶滅危惧種に指定されており、種は厳重に管理されています。

一般的に見るムラサキといわれるものは西洋種です。

違いは、花の芯のところが真っ白(写真参照)なのがアジア種です。西洋種は、芯の部分に黄色のグラデーションが見えます。

 

ムラサキ科 ムラサキの根
日本ではムラサキの根は平安時代頃から紫色の染色に用いられ、太宰府政庁などから税として朝廷へ納められていました。
紅花、藍とともに日本三大色素の一つです。

しかし、日本では絶滅危惧種になってしまいました。
原因は、合成染料や、合成された薬(西洋医学での薬)にとって代わられたことと、
気象の変化という環境も大きな原因です。
もう、筑紫野や太宰府では、路地栽培では産業に使うような量は育たないでしょう。
高温多湿、まるでモンスーンの中にいるような気候になってきましたから。





江戸時代末期日本で外科医の華岡青洲は外用膏薬として紫雲膏を考案し、手術痕や皮膚薬、化膿止めなど治療に使用しました。
古くは中国の明の時代医書「外科正宗」にある潤肌膏の処方でもあります。

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<研究概要>
シコニンは、ムラサキ科の植物が生産するナフトキノン系化合物で、生薬として用いられている紫根(シコン)の主要な有効成分である。シコニンが抗炎症活性や抗菌活性を示すことは古くから知られていたが、近年、シコニンの抗ウイルス活性やがん細胞特異的なアポトーシス誘導活性が新たに見出されてきた。このため、シコニンは人類の健康増進に大きく寄与する有用な天然資源としてますます期待されており、効率的な生産技術の開発が強く求められている。シコニンを効率的に生産するためには、生合成経路を酵素レベルで解明することが必須であるが、その大半は現在でも未知のままである。

本研究の目的は、上記のように優れた薬理作用を示すシコニンの生合成経路を解明することである。昨年度までの研究で、シコニンの生合成経路上に位置すると考えられる多数の推定生合成中間体を化学合成し、シコニン生合成に関与すると推測される複数の新規酵素を見出している。今年度は、推定生合成中間体の化学合成をさらに進めるとともに、合成化合物を酵素反応の基質および生成物として用い、シコニン生合成に関与すると考えられる新規酵素の機能を明らかにすることで、シコニン生合成経路の全貌の解明を目指す。

出典:京都大学 共同研究拠点 生存圏研究所
http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/projects/er201515/
渡辺文太(京都大学化学研究所)
共同研究者 矢崎一史(京都大学生存圏研究所)
高梨功次郎(信州大学山岳科学研究所)
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このように、皮膚だけではなくガンなどへ、多くの可能性を秘めた紫草根です。